文字サイズ:

すこやかコラムすこやかコラム

「痛み」と「痛み止め」について

「痛み」と「痛み止め」について

頭が痛いとき、足腰が痛いときなど普段、痛みに悩まされているときに「痛み止め」を飲むことがあると思います。今回は「痛み」と「痛み止め」についてお話しします。

痛み止めの役割と痛みのサイン

古い時代の科学と知恵

皆さんは時代劇の中で、ちょいワル風なお侍さんが、柳楊枝を口にくわえて歩いているシーンを見たことがありませんか?この行為、ただ格好をつけて口にくわえているだけだろうと思われがちですが、実は歯痛止めとしての役割があったと言われています。
柳の樹皮にはサリチル酸という成分が含まれており、この成分をもとにアセチルサリチル酸が合成され「アスピリン」という名前で販売されました。そう、つまり、柳はアスピリンの原材料だったのです。
日本では古来、柳が痛みに効果があることを多くの人が知っていた可能性があります。京都にある三十三間堂は頭痛封じの寺と俗称されており、後白河上皇が長年頭痛に悩まされていたのを取り除くために建立されたという伝承があります。この三十三間堂の棟木に使用されている木が『柳』なのです。柳は仏教では聖木に値するため、棟木に使用するのは当然といえば当然なのかもしれませんが、頭痛平癒のために建てたと考えると、柳の木に痛みを和らげる何かがあることは皆が知っていたのではないかと考えてしまいますよね。

現代の痛み止めと痛みの役割

話を現代に戻そうと思います。
現在では、歯が痛い、頭痛がする、足が痛いといったときに、ドラッグストアに行けばすぐに薬が手に入るようになりました。そこで、まず手にするのは解熱鎮痛剤(NSAIDs)だと思います。ロキソニンやイブプロフェン、そして先ほどのアスピリンもこの解熱鎮痛剤に類します。柳に祈りを捧げていた時代と比較すると非常に便利な世の中ですよね。
しかし、便利であるがゆえに、私たちは「痛み」という大事なサインを見落としがちになっていることもまた事実です。おそらく、薬を飲むと痛みは軽減され良くなったと感じることが多いでしょう。しかし、痛みは身体に起こっている何らかのサインです。体温、血圧、脈拍、呼吸数と同じように、私たちが生きていく上で重要なサインと言われています。このサインを見落とさないようにすることが重要です。原因の分からない痛みや、必要以上に長期に続く痛みの場合は、医療機関を受診しましょう。

痛みの種類と痛み止め

痛みは大きく分けると3つの種類に分類することができます。炎症や刺激による痛み(侵害受容性疼痛)、神経が障害されることで起こる痛み(神経障害性疼痛)、心理的社会的要因で起こる痛みです。長引く痛みにはこれらが複合的に絡み合っている場合が多いとされています。特に神経障害性疼痛は一般薬(ドラッグストアなどで販売されてる薬)を服用してもあまり効果が得られない場合が多く、医師への相談が大変重要と言われています。

痛みの種類

これらの痛みに対して、多種多様な鎮痛薬、鎮痛補助薬があります。特に、近年整形領域における慢性疼痛について使用できる薬が増え、「この薬を飲むようになってから痛みやしびれが良くなったよ」という話をよく耳にするようになりました。

長期に渡り痛みについて悩みを抱えている方には一度医療機関を受診されることをお勧めします。しかし、薬には多かれ少なかれ副作用があります。痛みに関わる薬については特に注意が必要なものが多いため、医師と相談しながら、薬を使用し上手に痛みと向き合うことが大切です。気になることがあった場合は、ぜひ薬局の窓口でも相談してみて下さい。

ときわ会 常磐病院
薬剤部
白石童子

記事一覧へ