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医療事務のお仕事 ~レセプト作成業務~

医療機関の医療事務職員は、受付業務、診療録(カルテ)管理や診療報酬の計算など、日々多忙な業務に追われています。その中でも診療報酬明細書(レセプトといいます)の作成業務は、医療事務職の業務において最も専門知識を要し正確さが必要となる業務です。

診療に伴い発生する診療費は、診療報酬といわれ、その金額は厳密に規定されています。その金額の一部(1~3割)を一般的に「自己負担分」などとよび、患者さんにご負担いただいています。残りの金額は、診療報酬明細書を社会保険診療報酬支払基金または国民健康保険団体連合会に提出することによって、審査を受けた後、それぞれの各保険機関から受けとります。正確な診療報酬明細書の作成は、患者さんのご負担額に直結しますし、病院にとっては診療の対価ですから非常に大切なことになります。

しかし正確な診療報酬明細書を作成することは簡単なことではなく、今日の高度な医療を背景に診療内容はますます複雑となっているため、正しい医療知識がなければ作成することができません。ここでは、保険医療機関におけるレセプト作成業務が、いったいどんな内容なのかを簡単にご説明します。

レセプト作成業務とは

レセプトは毎月、患者さん1人につき1枚作成します。ひと月における取り扱いは常磐病院では数千枚に及びます。診療内容(投薬、処置、点滴、レントゲン…など)に応じ、それぞれの診療報酬が細かく規定されており、これらを1月分合算し当月の診療報酬明細書となります。診療報酬の規定は非常に細かくそのルールが規定され、診療報酬について明記されたガイドブックは、電話帳並みの厚さになっています。

行なった診療に対し、過不足なく診療報酬明細書を作成するには、診療内容の理解が必須となります。しかし、医療事務員は実際の医療現場に常にいるわけではなく、またカルテの記載も医師や看護師の使用する特殊な用語も理解しなければいけませんので、わからないことは常に連絡を取って説明を受ける体制で行なう必要があります。また医療事務員自身が、最新の医療知識を身につけたり、診療報酬の改定が行なわれた際には、正しくその内容を理解したりすることが求められます。

請求内容に不備があれば、少なく請求すると病院の報酬が減ってしまいますし、請求できないものを過剰に請求してしまいますと、保健機関の審査ではじかれて、その請求は認められないばかりか、悪質と判断される請求は不正請求といって、刑事罰の対象にもなり得ます。そのため医療事務職員は日々慎重にかつ正確にレセプトを作成しています。

記載内容に不備があると

では、レセプトの記載内容にどのような不備があると診療報酬の減額につながるのか例をあげますと、「請求漏れ」「減点」「返戻」の3つがあります。

まず、「請求漏れ」とはレセプトへの記載事項を忘れてしまうことにより、報酬がいただけないことをいいます。次に、「減点」とは支払機関および審査委員会が請求内容に疑問があると判断された時に講じられる措置です。この場合には、疑問があると判断された項目のみについて診療報酬の減点がおこなわれます。最後に、「返戻」については重要な記載項目に不備がある場合に行なわれる措置で支払機関および審査委員会の決定により、請求を行なった全項目について支払を拒否されることをいいます。いずれも医療機関として、避けたい措置といえます。

レセプト作成に必要な関連知識

診療報酬は病名や疑い病名に応じて、請求できる薬剤や検査が規定されています。例えば、病名が膀胱炎では胃薬を処方しても保険請求上は間違いとなります。また、検査によっては月に何回まで行なえるか規定されており、その規定に外れて検査を行なうと、前述した減点や返戻の対象となってしまいます。

これらのことはほんの一例で、すべての薬品、処置、検査ごとに、これらの規定が定められています。そのため医事請求に携わるものは、診療報酬にかかわる大変膨大な知識を持ち合わせていなければなりません。そこで当院事務職員は、医学、薬剤、検査等、レセプト作成に必要な関連知識を得られるよう、定期的に医事請求のベテランの講師をお招きし勉強会を開催しております。

ときわ会グループ医療事務部門では正しい診療報酬の作成はもちろんのこと、接遇面の向上も日々努力いたしております。至らない点は多々あるかと思いますが、患者さん皆様のご意見に真摯に耳を傾け、『笑顔とまごころ、信頼の絆』をモットーに、これからも皆様のご指導を賜りたいと考えています。何卒よろしくお願いいたします。

常磐病院 医療事務 服部亮子