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今なら間に合います!特定保健指導を受けて健康体を取り戻しましょう!

新年あけましておめでとうございます。

いよいよ4月には常磐病院がグランドオープン致します。健診室もリニューアルオープンし、皆様に大変ご不便をお掛けいたしておりましたが、快適な空間をお届けできるのも間近となりました。

今回のコラムは平成22年度4月から財団法人ときわ会常磐病院で始まった「特定保健指導」についてお話しさせていただきたいと思います。

みなさん!特定保健指導という制度はご存知でしょうか?おそらく知らない方が大勢いるのではないかと思います。この制度を知らない方は自分の体を健康にするチャンスをみすみす逃してしまっている可能性があります。

特定保健指導とは?

特定健康診査の結果、生活習慣病を発症するリスクが高いと判断された方の中で生活習慣の改善で予防効果が高いと判定された方に実施されます。特定保健指導の目的は、対象者が自分の健康状態を自覚し、生活習慣の改善のための自主的な取り組みを継続的に行うことができるようにすることにあり、対象者が健康的な生活に自ら改善できるよう、専門職がさまざまな働きかけやアドバイスを行います。

特定保健指導を受けないとどうなる?

対象者はメタボリックシンドローム(以下メタボ)かメタボ予備軍で、内臓脂肪型肥満に加え、高血糖、高血圧、脂質異常の2つ以上を伴った状態をいいます。このままの状態を放置しておくと、動脈硬化が急速に加速し、生活習慣病(心臓病、脳卒中、糖尿病等)になる可能性が高くなります。死に直結したり、重い後遺症を負い寝たきりになる可能性もあるのです。寝たきりになると家族、周りの人間を巻き込み、自分だけの問題ではすまなくなるのです。

生活習慣病を予防・改善するには?

内臓脂肪を減らし、メタボ状態をより早く解消すること。それが生活習慣病の予防のために大切なことです。内臓脂肪蓄積の指標となる腹囲1cmの減少は、約1kgの体重の減少に相当します。体重1kg増えるということは7000kcalの食事を余分に摂ったことになります。

1ヶ月で1kgの減量をするには?7000kcal÷30日=230kcalを1日に現在の摂取カロリーから減らす必要があります。

運動実践編

では、230kcal減らすにはどのような運動を何分する必要があるのか御紹介します。

(例)60歳男性 体重80kg
※年齢、体重で消費カロリーが若干変わります。
※今回は、メタボ対象の方を例としています。

ウォーキング 約40分

ジョギング 約25分

筋力トレーニング(ダンベル) 約15分

階段昇降 約35分

体操 約45分

運動実践編に関しては健康運動指導士の飯田がご紹介いたしました。

栄養編

次に、手軽にできるカロリーダウンのコツをお伝えしていきます。カロリーを下げるのには調理法だけではなく、スーパーで食材を購入する時からダイエットは始まっているのをご存じでしたか?

例えば肉なら種類を決め(牛・豚・鶏肉)、部位を決定(ロース・赤身・バラ・皮つき・皮なし)、調理方法(揚げる・焼く・炒める・煮る・蒸す・茹でる)を考える。この3段階の中でダイエットが出来るのです。今回は皆さんがエネルギーの計算を簡便に出来るように、切りのいい数値で表現しましたので成分表の表示と誤差が生じることをご理解願います。

【鶏肉】

右から、鶏もも肉皮つき(100g・200Kcal)、鶏もも肉皮なし(100g・100Kcal )、鶏ささみ(1本50g・50Kcal)*写真は2本・100gで掲載していますので100Kcalになります。
部位を変えただけでカロリーダウンは安易にできますし、揚げる→炒める→煮る→蒸す →網焼き→茹でるといった調理過程の変化で、同じ部位を使用してもカロリーはダウンできます。揚げる調理方法を茹でる調理に変えただけで約150 Kcalを減らすことができます。
(油は大さじ1杯で110Kcalありますので、そこに衣なども入ると上記の数値になります)

【豚ひき肉】

ハンバーグ・肉だんご・ギョーザには必ず使用するひき肉も、赤身に変えただけでエネルギーを1/2にカットできます。

<ちょっといい話> 1. コレステロールって??

肉はコレステロールが多く含有するので気になる方が多いと思います。でも人間の身体に必要なコレステロールは食事から摂取する割合は全体の1/5程度で殆どが肝臓と小腸で合成されているのです。
コレステロールは脂質の一種で、細胞膜、胆汁酸、各種ホルモン、ビタミンDの前駆体の原料で身体には必要不可欠な物質です。コレステロールは身体に悪いもののイメージがありますがそうではないのです。よくHDLは良いコレステロール(善玉)、LDLは悪いコレステロール(悪玉)と認識されている方が多いと思われますが身体にはどちらも必要なのです。

≪HDLコレステロールとは≫

血管壁に沈着した余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す働きをしています。簡単に例えると血管のお掃除屋さん、基準は40ml/dl以上あることがよいとされております。

≪LDLコレステロールとは≫

肝臓で作られたコレステロールを各臓器に運ぶ働きをしている低比重リポたんぱくのことです。細胞内に取り込まれなかった余分なコレステロールを血管内に放置し、動脈硬化の原因ともなります。
基準は140ml/dl以下であることが望ましいようです。LDL—Cは計算式で求められます。
LDL-C=総コレステロール−HDL-C−(中性脂肪)÷5
中性脂肪の高い方は要注意です。
次に皆さんが毎朝定番で召し上がっているパン食の内容について耳寄りな情報をお伝えします。すぐにトライする価値がありますよ。

【食パン】

食パン6枚切1枚(160kcal)に、いちごジャム大さじ1杯(50kcal)とマーガリン大さじⅠ杯(100kcal)をつけると、カロリーは合計 310kcalになりますが、そこで一工夫してみましょう。食パンを8枚切り1枚(120Kcal)にします。そして、いちごジャム小さじ1杯 (20kcal),マーガリン小さじ1杯(30kcal)に変えるだけで合計170kcal。見た目には大きな変化はみえませんが約140kcalと大幅なカロリーダウンです。

【ハム&ベーコン】

ベーコンエッグなどでベーコンを利用される方も多いと思います。ベーコンはハムの約2倍ものカロリーがあります。ハムに変えてハムエッグでも十分美味しくいただけるのではないでしょうか。

【ドレッシング】

野菜サラダは低カロリーですが、マヨネーズは大さじ1杯で90kcalとカロリーは高く、卵1個分とほぼ同じカロリーあります。オイルドレッシングも大さじ1杯60kcalと高く、ドレッシング類でかなりのカロリーを摂取していることになります。最近ゴマが話題となり、栄養価が高く優れた食品と良いといわれていますが、ゴマドレッシングは大さじ1杯60kcalです。そこで、ノンオイルドレッシング(大さじ1杯20kca)に変えることにより、カロリーカットができます。購入する際はカロリー表示を確認してみましょう。

※カロリーの低いドレッシング類に変えても塩分量は変わらないので、使いすぎには気をつけましょう。

【牛乳】

牛乳コップ1杯(200ml)は135kcalです。低脂肪牛乳に変える方法もありますが、100ml(70kcal)に減らし、ミルクティーやカフェオレにして飲んでみてはどうでしょうか。約65kcalのカロリーダウンとなります。
ここまでみてきた食材を朝食のメニューにしてみてみましょう。
合計845kcal → 460kcal  385kcal のカロリーダウンになります。
食事の量をあまり減らさず、見た目にも満足できるのではないでしょうか。
一番手軽に出来るダイエットだと思いませんか?

【おやつ】

ポテトチップスは大袋では 500kcal以上の高カロリーです。食べる分だけ器に盛って、食べすぎないようにする工夫もありますが、購入する際に小袋のものを選びましょう。
コカコーラ 500ml(225kcal)には砂糖約64g(スティックシュガー16本分)入っています。ノンカロリーに変えることもお勧めです。

<ちょっといい話> 2. 人工甘味料

ノンカロリーの飲料には、人工甘味料が含まれています。特徴としては。低エネルギーで、血糖が上がりにくく、虫歯になりにくい性質をもっていますが、多量に摂取すると腹痛や下痢をおこすこともあります。また、依存しすぎると甘味に鈍感になりやすくなりますので上手に取り入れてみましょう。「間食はやめておこう!!」と思っても欲求を抑えることは辛く、欲求が満たされないと心に余裕がなくなりストレスがたまります。ダイエット中の間食は適度に摂って、ストレスを減らしましょう。

今回ご紹介させていただいた食材の部位や、計量スプーンを大から小にする工夫でもダイエットは手軽にできます。

1日100Kcalの食材調節と運動の組み合わせでもご自分に合った方法を選んで、継続して実行していくと1年後には12kgのダイエットが出来、美しい身体と健康を手にいれることができます。

当院では運動(健康運動指導士)と栄養(管理栄養士)のスペシャリストが健診データを分析し、生活習慣病を予防・解消し、より良い生活が送れるよう全力でサポートさせていただきます。是非この機会をチャンスととらえ、当院の特定保健指導を活用して、メタボリックシンドロームの予防・解消に取り組みましょう。

特定保健指導のご予約・お問い合わせは当院の健診室までご連絡ください。

<コラム担当> 財団法人ときわ会 常磐病院