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精巣捻転(睾丸捻転)

精巣捻転とは

精巣捻転とは、文字通り精巣がねじれてしまうことです。精巣は、精管、精巣静脈、精巣動脈からなる精索という構造で体とつながっています。精巣がねじれることによって、この精索が締めあげられ、血流の停止がおこります。

25歳以下の若年男性に発症することが多く、突然の精巣痛で自覚します。精巣捻転が発症してしまうと、精巣の血流が遮断しているため一刻も早い治療を必要とします。

精巣捻転の症状

突然起こる激しい片側の精巣痛。

  • ● 精巣の腫脹
  • ● 吐き気と嘔吐
  • ● 腹痛
  • ● 精巣の位置異常(精巣の挙上と角度の変位)

精巣捻転の原因

精巣捻転の原因は、精巣が生まれつき精嚢に固定されない状態にあることです。正常な精巣は、ねじれないように精巣の一部が精嚢に付着しています。しかし、その付着がないために精巣がねじれてしまうわけです。

精巣捻転の好発年齢

精巣の大きさが大きくなる思春期以降から20歳代の若年男性に多くの発症がみられます。上記のように、精巣が回転しやすい状態が発症の原因ですので、一度精巣捻転を発症し自然治癒した場合は、再発しやすいことが分かっています。

精巣捻転の診断

突然発症する精巣の激痛を認めた場合、精巣捻転を疑います。カラードップラー超音波にて精巣内の血流を確認し、血流を認めない場合は精巣捻転と診断し、緊急手術を行います。しかし精巣上体炎などの他の精巣痛を伴う疾患と鑑別が難しい場合があり、その場合は診断と治療を兼ねて手術を行うこともあります。

急激な精巣痛が出現した場合

もし急激な精巣痛が出現した場合、精巣捻転の可能性がありますので、緊急に泌尿器科に受診し治療を受ける必要があります。精巣捻転を発症した場合、精巣への血流が遮断されるため、一刻も早い治療が必要となります。発症から6時間以内に治療ができた場合は、90%以上の精巣が正常に戻ると報告されていますが、12時間経過してしまうと約50%の精巣が血流遮断によるダメージのため摘出を要するとされています。

また急激な精巣痛が出現しても、自然に痛みが取れる場合があります。その場合は、精巣の捻転が自然に解除されたと考えられます。しかし今後精巣捻転の再発が予想されますので、必ず泌尿器科専門医に適切な診療を受けるようにしてください。

精巣捻転の治療

精巣捻転は、まず用手的に捻転の解除を試みます。捻転が解除されると、急速に痛みは取れます。しかし痛みが持続する場合は、緊急手術を行うことになります。

手術は、一般的に腰椎麻酔(下半身麻酔)で行うことが多く、場合によっては全身麻酔でも行います。手術の実際は、陰嚢を切開し捻転を解除した後に、精巣の一部を再捻転しないように陰嚢に固定させます。

以上のように精巣捻転は緊急手術を要する泌尿器科疾患です。適切に治療されずに精巣にダメージを受けた場合、不妊症の原因にもなりますので適切な治療が必須です。精巣捻転の発症は、理由はよくわからないのですが、早朝によく認められます。上記のように一刻も早い治療が、精巣ダメージの有無の鍵を握りますので、時間外であっても専門医療機関の受診をしてください。

以上、精巣捻転について概説しました。

<コラム担当> 医師 新村浩明

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