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介護予防の視点介護予防の視点

Vol.9 少しの心がけでできること





こんにちは。小名浜ときわ苑リハビリテーション部の理学療法士、中崎恭江です。まだまだ寒い日が続きますね。みなさんはカゼなどひいてないでしょうか?今回は、介護予防のために少しの心がけでできることをご紹介したいと思います。

『足腰を弱らせないようにする』
これは真っ先にみなさんが思い浮かぶ介護予防だと思いますが、他にも介護予防に結びつくことがあります。
 
それは、『姿勢』です。正しい姿勢を保つことは、全身の健康に大きく結びつきます。

座っている時、立っている時、しっかりと背筋を伸ばし、頭も上げることで、腹筋や背筋は自然と鍛えられます。体幹(首から股関節までの部分)がしっかりすることで、腕や脚を十分動かすための安定性が良くなります。
 
高齢者に多い姿勢は、背中が丸くなってしまうことですが、背中が丸いと歩幅は自然と小さくなってしまいます。歩幅が小さくなると、脚の筋肉も徐々に衰えてきます。そのために、足腰を衰えさせないためにも姿勢を保つ事が大切なのです。

また、背中が丸まっていると腕はまっすぐ真上へ上げることはできなくなってしまいます。さらには、深呼吸もしにくくなったり、腰の痛みが起きてしまうことも考えられます。

日ごろからの心がけで、これらの悪循環は予防することができますので、もう一度ご自身の姿勢を見直し、少し気を付けてみてはいかがでしょうか。
 
現在介護を受けており、車椅子などを使用している方でも、座位の姿勢を良くすることは同じように大変良いことです。もし、左右どちらかに傾いてしまったり、ご自分で座ることができない方も、ベッドを起こしたり、リクライニングのできる車椅子や介護用のクッションなどを使用することで、座位の姿勢をとることができる場合があります。

体を起こすことは、心臓や血管などの循環器を活発にするだけでなく、視界も広がり、刺激も多くなるという点でもとても良いことですし、良い姿勢で座ることは、脊柱の変形を予防することにもつながります。

そして、よい姿勢がとれたら、上肢(腕)を動かすことも心がけていただくと、肩や首の痛みの予防になるだけでなく、腹筋や背筋も鍛えられ、姿勢が良くなることにさらなる効果が期待できます。
 
足腰だけでなく、腕が思うように動かせないと生活の中では、不便です。しかし、腕を上げる機会は、普通に生活している中では、実はそれほど多くありません。そのため、知らないうちに徐々に弱っていき、四十肩といった症状が現れることがあります。
 
すなわち姿勢に注意することや上肢を鍛えることは、実は、足腰を衰えさせないことにも繋がってくるのです。

老化や衰えは、誰にでも起きることですが、とても個人差の大きいものです。毎日の生活に少しの運動や心がけを取り入れることで、その進行を遅くすることはできます。
 
また、現在介護を受けていらっしゃる方も、このような心がけをすることで、悪化を防ぐことはもちろん、改善が見られる場合もありますので、無理のない範囲で行っていただけたらと思います。
 
状態に合わせた運動指導やリハビリ指導は当苑リハビリ部にて行っております。ぜひお気軽にご相談下さい!

介護老人保健施設 小名浜ときわ苑

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福島県いわき市小名浜

☎ 0246-58-2300

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