文字サイズ:

介護予防の視点介護予防の視点

Vol.23  歩くことの大切さ

こんにちは! 理学療法士の佐川順子です。
新緑の季節になり、爽やかな風に誘われ、外に出かける機会も増えてきているのではないでしょうか?

さて、今回は、「歩くこと」と「足」についてお話させていただこうと思います。
 
「歩くことの大切さ」や「歩くことが健康に良いこと」は分かっていても、どこへ行くにでも車を利用することが多いため、運動不足や筋力の低下から、「疲れるから歩かない」という悪循環を招いていませんか?
 
歩くという行為には全身の筋肉が使われます。歩行に使われる筋肉は、全身の筋肉の実に3分の2にあたり、できるだけ無駄にエネルギーを消費しないよう、効率良く使われています。ですから、正しい歩き方を理解して、それを実行すれば、「疲れるから歩かない」という悪循環から抜け出せることになります。
 
 
「歩く時に、どのようなことに気をつけていますか?」と尋ねてみると、様々な答えが返ってきました。
 
・「一日に○歩」と目標の歩数を決めている。
・体力づくりのために歩いている。
・いつも急いでいるので、速く歩いている。
・花などを眺めたりして、目や耳で楽しみながらゆっくり歩いている。
・歩く姿勢に気をつけている。
・大股で歩くようにしている。
・大きく手を振るようにしている。
・転ばないように注意しながら歩いている。
・膝などが痛くならないように、気をつけている。
・呼吸を意識している。
・ダイエット
・太ももに力を入れるように意識している。
・何も考えていない。
 
皆さん、色々なことを意識しながら歩いていらっしゃいますね。私自身は、後から歩いてきた同僚に「右肩が下がっているね。」と言われてから、姿勢に気をつけて歩くようにしています。

では、正しい歩き方とは、どのような歩き方なのでしょう。
「かかとから地面につき、かかと、足の裏の外側、母趾球(足の親指の下の膨らみ)へと体重を移動させ、母趾(足の親指)のつま先で蹴り出して前進していく。体重を支えている膝はピンと伸ばした状態にする。」( *3から抜粋)
 
歩く時に最も大切なポイントは、次の2つです。
・かかとから着地する
・母趾で蹴る
 
正しい歩き方を実践するために、まず、からだを横から見た時に、耳、肩、腰、膝、土踏まずまでが一直線に並ぶように立ちます。肩の力を抜き、あごをやや引いて、背筋を伸ばしてから前へ踏み出します。振り出した前足は、膝を伸ばしてかかとから地面に着き、後ろ足は母趾でしっかり蹴り出しましょう。猫背になっているように感じたら、意識的に腕を振りましょう。
 
どうですか?何か変わりましたか?



正しい歩き方を理解したら、足の裏にも注目してみましょう。
 
足には3つのアーチがあります。
・母趾のつけ根からかかとのつけ根を結ぶ内側の縦アーチ(土踏まずと言われているところ)
・第4〜第5指のつけ根とかかとのつけ根を結ぶ外側の縦アーチ
・中足骨頭でつくられる横のアーチ
この3つのアーチからなる半ドーム構造によって、衝撃を吸収したり、荷重を分散したりしています。
 
足の裏のアーチが、加齢や歩行不足で下がってくると、足首の固定が不安定になります。足首がきちんと固定されないことで、不安定な立ち方になり、姿勢が崩れてしまいます。さらに、足の裏の血管が圧迫され、全身の血流が悪化してしまいます。血液を心臓に戻すための脚の筋肉の収縮作用(ミルキングアクション)が、スムーズに行われないため、血液や栄養、老廃物の排出など身体の全ての循環機能に影響を及ぼしてしまいます。
 
ご利用者様の足の裏のアーチが下がっている場合には、足趾の運動を指導させていただいています。



最初はなかなか指が動かないかもしれませんが、毎日続けていただきたいと思います。そして、「正しい歩き方」でしっかり歩き、健康になっていただきたいと思います。
 
<参考文献>
*1 歩くこと・足そして靴:清水昌一 風濤社
*2 足の裏から見た体:野田雄二  講談社
*3 百歳まで歩く:田中尚喜  幻冬舎

介護老人保健施設 小名浜ときわ苑

介護老人保健施設 小名浜ときわ苑

福島県いわき市小名浜

☎ 0246-58-2300

看護師サイト

二人のソプラノSempre ff 土井由美子と常盤梢