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Vol.18 靴選びのコツとは?

こんにちは!理学療法士の中崎です。
今回は、きちんと歩くためにも大切な『靴選び』についてお話しましょう。
 
みなさんは、足に良い・歩きやすい靴を選ぶために、どんなことに注意していますか?
私たちもご利用者様の靴選びのアドバイスをさせていただく機会がありますので、それをもとに注意していただきたいポイントについて述べたいと思います。

普通は靴を選ぶ際、まずサイズ=長さを基準に選ばれると思います。
例えば、「私は23センチ!」、と自分の靴のサイズ(長さ)は皆さんわかっている方は多いと思いますが、このサイズ(長さ)だけで、選んでしまっていませんか?
 
長さは、必ず立った状態で、足の親指(人差し指のほうが長い人は人差し指で)の先を押した時に、1〜2センチへこむ余裕があり、足の指をグーパー動かせるくらいの余裕が必要です。立った状態で、足へ体重がかかり広がった状態になるので、立てる場合には立って試着しましょう。
 
靴のサイズ表示は、本来23センチの靴ならば、足が23センチの人に合うように作られているので、23センチの人が、23センチの靴を履いたときには、上記のとおり、靴の先に余裕があるはずです。もし、靴の先端まで指がきているようなら、もう1サイズ大きい靴でなくてなりませんね。
 
靴の先端まで指が来てしまうと、外反母趾になったりするだけでなく、しっかりと踏ん張ることができませんので、高齢者では、歩行が不安定になり転びやすくなってしまいます。

足の指の先に余裕があると、歩いた時に、つま先がどんどんずれてきてしまうのでは?と思われるかもしれませんが、そうならないようにするためには、足の横幅の一番広い所、すなわち、親指と小指の付け根の部分の幅がぴったりと合っていると、靴の中で、足が前後に動くことなく、指もしっかりと踏ん張ることができます。
 
ゆったりした靴が良いというのは、幅が広すぎるということではありません。幅は、親指の付け根と小指の付け根でちょうど固定され、指部分が自由に動かせるのが、ゆったりした靴と言えます。



幅が広すぎて、靴の中で足が動いてしまうと、長靴やスリッパで歩いた時のように、靴が脱げないように無理な力が必要となり、歩くと疲れてしまうか、歩くたびに脱げて、危険になってしまいますね。

長さと幅の他に重要な事は、靴の底です。底の素材が硬すぎると、床や地面からの衝撃が、踵や関節に伝わり関節へダメージを与えてしまい良くないですし、足の動きに沿って充分にそり返らないと、踏ん張りがききません。ちょうど指の付け根あたりで、曲がる物は、反り返りが良く、とても歩きやすい靴です。特に高齢者の場合は、底の柔らかい方が良いと思います。
 
次に、底の踵部分です。踵が1センチ高いと、1センチ踵を上げて、つま先立ちしているのと同じ状態です。体の重心は、踵が高くなると、それだけ前方にかかってきます。本来、裸足で立った状態での正しい重心の位置は、土踏まずのあたりです。
 
その重心が前方にきてしまうと、膝や腰など体全体でバランスを調整しなくてはならず、前のめりの姿勢や、円背になりやすくなってしまいます。できるだけ、歩くための靴は踵が高くない物を選びましょう。

ご自分の足にあった歩きやすい靴を履くことは、楽に歩けるだけでなく、正しい歩き方をすることで、正しく筋肉が働き、いつまでも歩いて生活できることに繋がります。
 
新しく靴をご購入の際、もし迷われた場合は、専門家のアドバイスを仰ぐといいと思います。私たちリハビリスタッフにもぜひお気軽にお声かけ下さい!

介護老人保健施設 小名浜ときわ苑

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福島県いわき市小名浜

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