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味覚は幼少期に決まる…食育の大切さ

当院では、食事療法をされている患者さんが多数いらっしゃいます。
腎臓内科の保存期の患者さん、外来透析の患者さんです。これらの患者さんは、何かしらの制限をした食事をされています。

食事療法は何が一番大変なのでしょう?
よく患者さんは、おかずはなくても味噌汁と漬物があれば満足できる、といいます。
塩味と食欲は密接な関係があるようです。

味はいつ覚えるの?

では、人間はいつ味を覚えるのでしょう。

胎児の2、3ヶ月には、口腔内の構造が完成してきて、味蕾もでき、母親の羊水に含まれるものを味として感じているのではないか?といわれております。
乳児期は、甘味に対しては早くから反応し、塩味に関しては1歳から3歳に発達すると言われております。

基本味とは…

味と一言でいっても、生理学的には5つの基本味に分類されるようです。

甘味、酸味、塩味、苦味、うま味です。これらは、舌の味蕾によって感じるといわれております。
全ての味が舌の同じ部分で感じるのではなく、甘味は舌の先端、塩味・酸味は舌の側端、苦味は舌の基底部です。

味を感じるとは…

ただ、悲しいことに歳を重ねると味蕾の感度も低下するようです。
そのため、若い人達と食事をしていて、美味しさを感じない…などといった現象も起きてきたりします。
また、食生活が不規則で、必要な栄養素が不足しても本来の味を感じることが出来ない…

いわゆる亜鉛不足などもあります。
亜鉛は細胞が生まれ変わる新陳代謝の時に必要なミネラルで、亜鉛が不足すると味蕾細胞の若返りが阻止されてしまうようです。

亜鉛の必要量は大人で1日約10mgです。
3食の食事を規則正しく摂取していればそうそう亜鉛不足は起きないとはいわれておりますが…

亜鉛が一番多く含有している食材は牡蠣貝のようです。
100gで40mgです。豆腐、納豆、レバーなどにも含有しておりますがごく少量です。

生活習慣と食習慣

最近の新聞に、1日に長時間(5時間以上)のテレビを観ている10代の子供たちは、成人後にファストフード嗜好になりやすいとの研究結果が報告されていました。

食事を1日3回摂取していても、その内容が大切なのです。

スナック菓子や揚げ物、甘味飲料、トランス脂肪酸を多く含んでいる食事ではいけないのです。
先ほどの長時間のテレビ漬けの生活をしていた子供達は5年後にはこのような食事形態になっていたとのことです。

幼少期の食習慣が大人になって大きな影響を及ぼす象徴的な報告です。
『三つ子の魂百までも』との諺がありますが、食習慣もその通りだと考えます。
食事指導をしていると、患者さんと来院された奥様が『この人は、小さい時から好き嫌いが多く、いまだに直らないのよ…義母が我儘にしてしまって…今になって私が苦労させられているのよね…』などといった話を聞かせていただいたりします。

随分前になりますが、テレビ番組で本物の味を当てよう!を放映していて、そのひとコマに鰹節のだし汁を当てるものがあり、昨今では、インスタントだしを使用する家庭が多いので、本来の鰹だしを当てた子供さんが一人もいなかったのが印象的だったのを思いだしました。

食育って?

平成17年・6月に食育の法案が成立され、食育という言葉を耳にする機会も多くなりました。
食育という言葉は新しいようですが、実は明治時代の書籍の中に登場していたようです。
村井弦齋著の『食道楽』の中に『知育よりも体育よりも一番大切なのは食事の研究をしないのは迂闊の至りだ・・』との件があります。
小さい時からの食事に関しての躾は大切であることを実感させられます。

何も、高級な食材を口にしたり、何時間もかけて調理したりしなくてもよいのです。
母親が家庭で子供の為に作ってあげるだけでいいのです。
ちょっと、手を加えた料理を食べさせてあげること、食材本来の味を教えること、食材の旬がわかる季節のものを利用すること・・そして家族と食卓を囲む楽しさを伝えること…これが食育の基本でしょうか・・

野菜を使用したおやつ

今回は簡単に出来る野菜を使用したおやつの紹介をします。
是非、一度お試しあれ…子供さんだけでなく、大人も楽しめますよ。
コンビ二のお菓子に負けないくらい美味しいこと間違いなしです。
愛情というエッセンスが沢山詰ってますから…。

1.酢ごぼう

咀嚼力UPの目的もあります。
意外な美味しさに後味をひきます。
他に適した食材として、野菜スティック、昆布、するめ等もお勧めです。

ごぼうは皮をそぎおとして、1本を半分にして10cmの長さに切り、水にさらし、あくを抜き、硬さを見ながら、3〜4分位茹でる。
酢大匙3、醤油小匙3の合わせ酢に熱いうちにくぐらせる。あ
まり、長い時間浸しておくと酢っぱくなるので注意。
(酢、醤油の量はごぼうの量により増減して下さい)

2.かぼちゃパイ(ぎょうざの皮・1袋分)

かぼちゃ中1/6ヶ(約200g)はスライスして、ラップをかけて3分から5分電子レンジにかけてやわらかくする。
かぼちゃの皮をむき、砂糖・牛乳・マーガリン各大匙1を加えて練り混ぜる。
ギョーザの皮にかぼちゃあんをのせ包み、皮の表面にマーガリンを軽くぬり、オーブントースターでカリッと焼く。
(少量の油で揚げてもOK)

3.いも餅(6ヶ分)

味付けはしらす干しの塩分のみです。
じゃが芋とごまの風味が楽しめます。

じゃが芋3ヶ(約300g)を皮をむいて茹でておく。
熱いうちにつぶして片栗粉大匙3を混ぜておく。

ほうれん草1/2P(約70g)を茹でて、1cmに刻んでおき、片栗粉を混ぜたじゃが芋に加えておく。
ここに、しらす干し大匙1・白ごま大匙1も混ぜ、6等分にし、小判型にする。

フライパンに大匙2のマーガリンを溶かし、芋餅をいれ両面がきつね色になるまで焼く。

4.人参ゼリー(カップ4〜5ヶ分)

人参嫌いのお子様も喜んで食べられます。
人参1本(約200g)をボツボツ切って、柔らかくなるまで茹でる。

ゼラチン2Pは少量の水でふやかしておく。

茹であがった人参と100%のオレンジジュース400ccをミキサーに入れて混ぜ合わせておく。
これを鍋に入れて弱火にかけ、ふやかせたゼラチンを加えよく煮とかす。

器に適量を流しいれて、冷蔵庫で固める。
食するときに大匙1の牛乳をかけると、まろやかな味が楽しめる。

5.野菜チップ(野菜の使用量は適宜)

野菜本来の美味しさ、甘味を感じられます。
人参・レンコン・かぼちゃ・ごぼう・じゃがいも・さつまいも・いんげんなどを用意。
水洗いした野菜をスライサーで極薄切りにしておく。
水3カップに塩小匙1を加えた塩水に1時間ほどさらしておく。
(野菜の中の水分を脱水させる作用があります。)
野菜の水けをよくきり、中温の油でカリッとするまで揚げる。