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前立腺がん検査「S2,3PSA%」について

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前立腺がん検査に新たな選択肢「S2,3PSA%」を導入しました

~MRI検査との併用で、不要な前立腺生検を減らし、より正確な診断を~

前立腺がんの有無を調べる「PSA検査」

PSAとは、前立腺特異抗原(Prostate-Specific Antigen)の略語で、前立腺から分泌されるタンパク質の一種です。PSA検査は、前立腺がんの診断や治療効果の判定に用いられており、血液を採取し測定をおこないます。一般的にPSAの値が高いと前立腺がんの可能性が高いと診断されます。

PSA検査の“グレーゾーン”とは?

従来のPSA(前立腺特異抗原)検査では、一般的には4.0ng/mL未満が正常範囲、4.0~10.0ng/mLの範囲が「グレーゾーン」とされています。これまでは、グレーゾーンの値では、がんかどうかの判断が難しいケースが多くあり、その結果、がんではないにもかかわらず、不要な「前立腺生検(組織検査)」が行われることもありました。
前立腺生検は、直腸から複数の針を刺して前立腺の組織を採取する検査です。出血や痛み、感染症などのリスクも伴います。これまで患者様から「できれば避けたい」との声が多数寄せられていました。

PSA検査のグレーゾーンを評価する「S2,3PSA%」検査とは?

「S2,3PSA%」は、前立腺がんに特有のPSAの糖鎖構造の変化に着目した新しい血液バイオマーカーです。この検査により、従来のPSA検査では判断が難しかったグレーゾーンの患者様において、がんの可能性をより正確に評価することが可能となりました。
当院では、phiやS2,3PSA%検査をおこなうことができます。


出典:日本泌尿器科学会前立腺癌診療ガイドライン 2023年版

MRIとの併用で、前立腺がんの診断精度がさらに向上

当院では「S2,3PSA%」の検査結果と併せて、必要性やご希望に応じて「前立腺MRI検査」を実施いたします。MRIは前立腺の内部構造を詳細に把握できる検査であり、血液検査と画像診断を組み合わせることで、以下の診療上のメリットが期待されます。

この「S2,3PSA%」検査を活用することで「本当に前立腺生検が必要な方」を選別できる可能性が高まりました。これにより、心身ともに負担が大きい「前立腺生検」を回避する選択肢が増えたことになります。

保険適用と検査対象者

「S2,3PSA%」検査は、2024年2月1日付で保険適用されました。対象となるのは、PSA検査値が4.0~10.0 ng/mLのグレーゾーンに該当し、前立腺がんが強く疑われる方です。「S2,3PSA%」検査に関してご質問がある方は、主治医または受付スタッフまでお気軽にお問い合わせください。

診察予定表

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医師紹介

常盤 傑(ときわ すぐる)

平成18年3月 岩手医科大学 卒業
平成18年4月 岩手医科大学医学部泌尿器科学講座入局
平成22年4月 岩手県立釜石病院泌尿器科
平成23年4月 北上済生会病院泌尿器科
平成24年4月 岩手医科大学医学部泌尿器科学講座 助教
平成26年4月 ときわ会常磐病院
  • 日本泌尿器科学会 専門医、指導医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • ロコモサポートドクター
  • 透析バスキュラーアクセスインターベンション治療専門医
  • 透析バスキュラーアクセスインターベンション血管内治療医