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ダヴィンチ手術ダヴィンチ手術

ダヴィンチシステムによるロボット支援前立腺がん手術

常磐病院では2012年8月より前立腺がん治療において手術支援ロボット「ダヴィンチS (da Vinci Surgical System)」(米国Intuitive Sugical社)を導入いたしました。本装置を導入したことにより、前立腺がん手術において、これまで以上に正確な手術が行えるようになり、より体の負担が少なく、かつより合併症の少ない手術ができるようになりました。ダヴィンチシステムによる手術にあたっては、前立腺がん治療では第一線でご活躍の東京女子医科大学泌尿器科田邉一成教授の全面的な指導のもと実施いたします。福島県初となるダヴィンチシステムの導入により、いわき市においても国内最先端の前立腺がん治療が受けられるようになりました。

前立腺がんとは

前立腺がんは、近年その罹患率が増加しており、中高年の男性において注意すべき前立腺の病気のひとつです。前立腺がんの発生には男性ホルモンが関与しており、ほかの臓器のがんとは異なりゆっくりと進行するものが多いことが特徴です。また血液中のPSA(前立腺特異抗原)を測定することにより、前立腺がんの存在をスクリーニングすることができ、血液検査が有効であるがんのひとつです。初期には自覚症状がほとんどないため、排尿障害など症状がでてから診断されると、骨などに転移し進行している場合もあります。PSA検査により、早期に発見し、適切な治療を行うことが大切になります。

ダヴィンチシステムとは

米国で開発された手術支援ロボットです。ロボットを介して手術することにより、より鮮明な画像でより緻密な手術ができる特徴を有しています。ダヴィンチシステムは、サージョンコンソールと呼ばれる操作部とペイシェントカートと呼ばれるロボットアーム部、ビジョンカートと呼ばれるモニター部の3つの部分から構成されます。前立腺がん手術では、腹部に6か所の5から12mmの穴をあけ、そこから3Dカメラとロボットアームを挿入し、サージョンコンソールに座った術者が3D画像を見ながら手術をすることになります。米国では前立腺がん手術の8割以上がダヴィンチシステムとなっており、米国で約1600台、ヨーロッパで約400台、その他の国で約250台ものダヴィンチシステムが稼働しています。

ダヴィンチシステムの特徴

3Dハイビジョン画像

術者は立体画像下で手術を行なうことができます。また、720pのハイビジョンにより組織面や重要な解剖を細部まで映し出します。さらに、デジタルズーム機能により、より細かな臓器の状態を見ることができます。

自然な操作感(Intuitive Motion)手ぶれ防止機構

サージョンコンソールにおける操作は、術者の眼と手の協調関係、およびインストゥルメント先端との位置関係を維持し、開腹・開胸手術の際と同様のインストゥルメントの直感的な操作を可能にしています。そのため、術者の手の動きは、縮尺され、また手ぶれ除去されてからロボットアームに途切れることなく伝えられます。

大きな可動域のある鉗子

ロボットアームに接続されるEndoWristインストゥルメントは、人間の手と同等以上の可動域を持っています。そのため、通常の開腹手術や腹腔鏡下手術では不可能な複雑な動きも可能となり、より緻密で正確な手術を可能としています。

ダヴィンチシステムによるロボット支援前立腺がん手術

従来の開腹前立腺がん手術では、前立腺が骨盤の奥の臓器であるため、手術が難しい術式のひとつでした。また前立腺の周囲には太い静脈が走行しているため、出血量の多さも問題となっており、さらに、術後の尿失禁や勃起不全(ED)の発生も大きな課題でした。
その後、前立腺がんの低侵襲手術として腹腔鏡下前立腺全摘が導入され、常磐病院でも行ってまいりました。開腹手術と比較し、傷が小さく、出血が少ない利点がある半面、操作の習熟に非常に時間がかかる欠点もありました。
ダヴィンチシステムによるロボット支援前立腺がん手術では、前述した特徴により、これらの従来の手術の欠点を補うことができる手術法です。3D画像をみながら、手ぶれ防止機構のついた可動域の大きいロボット鉗子で手術することにより、より安全に、より正確に、より合併症の少ない手術を行うことができるようになりました。出血量は開腹手術の10~100分の1となり、3D拡大画像で勃起神経をより精密に温存することで、勃起不全予防ができるようになりました。また同様に尿道膀胱吻合も、大きな可動域のあるロボット鉗子で正確に吻合することによって、尿失禁の低減につながります。もちろん前立腺がんの摘出という手術本来の目的も、臓器を正確に拡大してみながら手術することにより、確実にがんの摘出を行うことができるようになっています。

ダヴィンチシステムによる緻密な動きのデモンストレーション(折り鶴)

ダヴィンチシステムに関するお問い合わせ

常磐病院では「ダヴィンチシステムによるロボット支援前立腺がん手術」をご希望される方の受診を随時受け付けております。
担当医師:新村浩明
〒972-8322
福島県いわき市常磐上湯長谷町上ノ台57番地
公益財団法人ときわ会 常磐病院
TEL:0246-43-4175 FAX:0246-42-3153
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