常磐病院DMAT活動報告
DMAT(Disaster Medical Assistance Team)は、医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)など5名1組で構成される、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に急行できる機動性を持つ、災害対応に特化した医療チームです。
「常磐病院DMAT」は、近年多発する自然災害から医療の力で人々を救うため2023年7月に組織されました。東日本大震災で多方面から多大なご支援をいただいたことへの恩返しができるよう、チーム一丸、病院一丸となって災害時の医療支援に取り組んで参ります。
2024年9月2日および5日、「DMATカー導入のためのクラウドファンディング」でご寄付いただきました「有限会社 松本配管工事」様、「まつはし内科クリニック」様への返礼として、常磐病院DMATメンバーが「一次救命(BLS)講習」を実施させていただきました。今回、座学と実技の2項目の講習を実施。皆さま、緊張感を持って講義に臨んでいらっしゃいました!
常磐病院の目下の課題である「DMATカーの導入」。車両購入費用に加え、車両に搭載する必要機材、医療機器の購入費用は総額で約3000万円にも上ります。2023年に「東洋システム」様などからご寄付を賜りましたが、当院だけで不足分を負担するのは現実的に難しいと判断し、今回「クラウドファンディング」による寄付を募ることとなりました。
開始当初は、クラウドファンディング自体が初めての取り組みだったため、なかなか思うように進められませんでしたが、web上だけでなく、常磐病院に来院された患者様からもたくさんの応援をいただくことができ、300名を超える方から合計12,337,000円ものご寄付をお預かりすることができました。いわき市内だけでなく、全国から温かいご支援をいただけましたこと、改めて心から御礼申し上げます。
今回、ご寄付を賜った方で、掲載許可をいただけた方のお名前を記載させていただきました。順不同にてご紹介させていただきます。
厚生労働省DMAT事務局からの要請を受け、1月6日早朝、常磐病院DMATメンバー4名が能登半島地震の被災地へ医療支援に向かいました。
出動期間は、1月6日~8日。期間中、特に甚大な被害が出ている能登半島の先端、石川県珠洲市の「珠洲市総合病院」の支援をおこなうため、医師1名、看護師2名、臨床工学技士1名で被災地に入りました。
初日は早朝6時に出発し、珠洲市に到着したのが19時。通行止めを避けながら、半日以上の時間をかけ現場に到着しました。翌日は、医師が「ER、病棟対応」、看護師2名は「急性期病棟の看護師支援業務」。臨床工学技士は、病院災害対策本部のロジスティクス担当としてそれぞれ配置され、「珠洲市総合病院」の医療支援をおこないました。
最終日となる3日目は、前日の寒波による雪の中、自衛隊のヘリコプターによる患者搬送業務の支援を中心に活動をおこない、13時に無事任務が完了しました。
今後も支援要請に即時対応できるよう、改めて準備を整え、災害現場での医療支援に尽力いたします。
2023年11月28日、「東洋システム」様より災害派遣医療支援のための車両購入に係るご寄付を賜りました。当日は、「東洋システム」様本社にて寄付贈呈式が執り行われ、代表取締役の庄司秀樹様から当会会長の常盤峻士へ目録の贈呈が行われました。いただきました浄財は、迅速に活動に必要不可欠な「DMATカー」の購入費に充てさせていただきます。
今後、ときわ会常磐病院は、市内・県内だけでなく、全国で多発する災害に対し迅速に医療支援をおこなえるよう、DMATを中心に活動を進めてまいります。
近年、異常気象の影響などにより「自然災害」が多発しています。
そのような災害や事故などで多数の傷病者が発生した地域で、一人でも多くの方を救うために活動する医療チームが「DMAT(Disaster Medical Assistance Team)」、通称ディーマットです。
常磐病院では、2023年7月に東京で実施された4日間の養成講習を受講。様々な状況を想定し、医療対応のディスカッションや実技訓練、試験などをおこないました。さらに10月には、青森県でおこなわれた大規模訓練にも参加。実際の出動に備え、訓練だけでなく、他施設のDMATチームと情報交換、連携、交流を図るなどチームとしての経験値を積んできました。
常磐病院DMATチームは、有事の際に即時対応できるよう、今後も積極的に技能向上に取り組んで参ります。
またこの場をお借りして、多方面からのご支援に心から感謝申し上げます。誠にありがとうございます。